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2006.9.23 sat - 10.21 sat

中西信洋 Nobuhiro Nakanishi
さかさまの風景 Inversion Landscape
  • オープニング・パーティー 2006.9.23 sat 17:00 -



前回、2005年のノマルでの個展『中西信洋展 彫刻の単位/Pileup Motif』では、FRPによる立体作品、シルクスクリーンによる版画作品、35mmフィルムを積層させたマルチプル作品「Layer Drawing」など多様なメディアを連動させての展示となりました。
ドローイング、立体、版画、映像とメディアにとらわれることなく、内在するイメージの視覚化を試みる中西の仕事は、内と外、物と物の境界、進行と停止等々とりまく世界の関係性を投げかけてくれます。
手のひらに収まる「Layer Drawing」は、やがて1m角ものフィルムを空間に展示し、場と時間のレイヤーの間を観賞者が行き来するインスタレーションへと発展。国際芸術センター青森や大阪府立現代美術センターにおける展示は全国の関係者から高い評価を得ることとなりました。

確固たる世界観を持ちつつ、縦横無尽にメディアやマテリアルを取りこんできた中西ですが、今回の展覧会においては中西の原点ともいえるドローイング展となりました。驚くべきスピードをもって自己の世界観、イメージを視覚化する方法論を蓄えた今、再び原点に立ち返り、純化されたイメージを描きつける中西の新展開を見ることのできた、意義ある展覧会となりました。



作家コメント

さかさまの風景

いつものように紙と鉛筆でドローイングをする。
最近、何度描いても出てくるこの形。
これはいったい何の形だろう。樹のようにも見える、煙のようにも、キノコのようにも見える。ふわっとした何とも言えないこの形を何度も繰り返し描いている。
樹のように見えるのでこの形を樹のようにしてみる。
煙のように見えるのでこの形を煙のようにしてみる。

ある日の運転中。高速道路や様々な建物のあいだを走りながらふと考える。
僕が描いている形はこの風景の至る所にある。
きれいに刈り取られた街路樹、植木、ガードレールの下でのび放題の雑草、空に浮かんでいる雲、煙突から出ている煙。
建物や道路の直線に対して、この形は重力に逆らうような、上に持ち上がるような感じがある。

物事の一番すばらしいものは、はじめに現れる。この形はきっと始まりだ。
この形を追って、確かに思うのは、
物理的な合理性の中に無いこと。
人の手のみによって出来上がる単調な形ではないこと。
これはずっと昔からある風景の至る所にあるということ−。

中西信洋 Nobuhiro Nakanishi