rooms

田中 朝子
Asako Tanaka

2010.10.16(sat) - 2010.11.13(sat)
13:00 - 19:00 日曜・祝日休廊
Closed on Sunday and National Holiday





--

○オープニング・パーティー : 2010.10.16 sat 17:00 -

--

日々の生活の中での些細な錯覚(ズレ)を独自の視点から切り取り、繊細に、また大胆な発想で形へと置き換えていく作家、田中朝子。彼女の創り出す作品からは、観る人の心を開かせるユーモアのセンス、そのもの自体から発されるハッとするような美しさとともに、世界の有り様を掴み取ろうとする真摯な眼差しや、現実と非現実の世界を分け隔てなく行き来する豊かなイマジネーションを感じ取ることが出来ます。

前回2007年の展覧会では、広い画廊の床一面にタイルを敷き詰め、空間全体があたかも水面下にあるようなしつらえとして、水中のオブジェを撮影した写真作品と鑑賞者とが対峙する視覚体験、そして身体的な感覚とのリンクに成功しました。
今展では、画廊空間を家の間取りに見立て、「美術作品の家」を創出、日常性の中に視覚・感覚的なズレを生じさせる試みを行ないます。各部屋に見立てられた空間に、その場から着想を得た写真作品や版画・立体作品を展示。それら全体の関係性をもって、作品世界に鑑賞者を誘います。

--

作家コメント

 子供の頃、新聞に挟まれたチラシの家の間取りを見るのが大好きでした。そのうち見るだけでは飽き足らず、自分で空想した間取りを描く様になりました。それは次第に偏執的に、1/60のスケールで、方眼紙に方眼定規、細くて硬い、カリカリの芯のシャープペンシルで・・・・いつか自分の想い描いた間取りの家に住みたいと思っていました。
 時が流れ、いつしかそんな夢も忘れ、しかし作品を作ると言うやはり少々偏執的な事をしている今、プレーンな矩形のギャラリー空間を眺める私の目に、ふと方眼の古ぼけたフィルターがかかりました。そして「この空間に間取りを描こう」と決めました。「カリカリのシャープペンシルで」・・・・、ではなく。

田中 朝子