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豊富 春菜
Haruna Toyotomi

2011.2.5(sat) - 2011.3.5(sat)
13:00 - 19:00 日曜・祝日休廊
Closed on Sunday and National Holiday





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○オープニング・パーティー : 2011.2.5 sat 17:00 -

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当画廊では2004年以来、7年ぶりとなる豊富春菜の個展を開催いたします。
豊富は主に日常的な風景や事象をとらえた映像を、大胆なトリミングや油彩による加筆等によって減算、加算する事で映像の意味性を排除し、質感や色彩を抽出するかのような独自の作品世界を創出してきました。

制作の拠点を関西から岐阜に移して以降、初となる今回の個展では、これまでの映像をベースとした手法はそのままに、新たな素材として樹脂を用い、制御したドリッピングによる物質感あるラージスケールの平面作品に挑みます。
視覚的要素だけを抽出し、流動的な素材で滑らかに浮かび上がらせた作品からは、その仕上がりの美しさもさることながら、描くということ、ひいては見る行為自体の多様性も感じとることが出来るのではないでしょうか。

ぜひともご高覧賜わりますようよろしくお願いいたします。

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作家コメント

1枚の印画紙は未だ光にさらされていなくても、既に光に満たされているようだ。その白は眩いばかりの雪の白にも、窓際で輝くシーツの白にも、ふんわりと透明な花びらの白にもなるだろう。その準備ができている、一枚の紙。
目の前にある水たまりは、今は辛うじてそこに形を留めているけれど、やがて形を変えて違う在り方をするのだと感じる。
それは変わっていくだろう予感や期待と同時に、触れてしまえばどうしようもなくあっけらかんと、そこにあるだけの物。
白いアクリルの板に樹脂のしずくを落し、写真をトレースしています。そのしずくは集まり、水たまりになり、色面になります。表面には移ろいやすい表情を湛たえ、ようやくそこに留まっているようです。

豊富春菜 Haruna Toyotomi