緑の触覚
haptic green

大島 成己
Naruki Oshima

2013.11.2(sat) - 2013.11.30(sat)
13:00 - 19:00 日曜・祝日休廊
Closed on Sunday and National Holiday





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○オープニング・パーティー: 2013.11.2 sat 18:00 -

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大島成己、視覚を揺さぶる大作の写真作品

当画廊では2年振りの個展となる今展では、前回の個展より取り組んでいる新たなシリーズ“haptic green”のテーマをより深化させた大作が発表されます。

『鬱蒼とした木々の中に分け入った際の、対象を目でまさぐるように視て、辛うじて認識するような感覚を表現したいと思っています。』 “haptic green”シリーズでは、鑑賞者が"視る"という感覚を総動員して対象(作品)に向き合うことで、日常では捉え得ない視覚の可能性に着目しています。

今展と同時期にはパリでの個展(※1)、来年には当画廊と台湾の画廊によるエクスチェンジ・プログラムでの個展(※2)、またベルリンでの個展も控え、より国際的に活躍の場を拡げている大島成己。この機会にぜひともご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

※1 Next level gallerie, Paris, 2013.11.7 - 12.21
※2 Galerie Grand Siècle, Taipei, 2014.3.21 - 4.18



「haptic green/緑の触覚」の新作について

 このシリーズ作品は一つの風景を端から順々に撮影し、合計数百枚の写真をデジタル上で合成している。前回の作品は、写真の焦点域を一つの面的なレイヤーとして捉えて、そこに木々が生い茂った触覚感を表出しようとした。そこでは「木」が見慣れた日常的な風景として現れるのではなく、認知し難い「木」として立ち現れ、視覚的に完結しきれない触覚的な何かを孕む物の現れ方が求められていた。
 今回も同様にそのような「木」の存在性を表したいと思っているが、前回は焦点を面的なレイヤーへと集約していたが、今回はそれを方法として継続しながらも、その面をバラバラに錯綜させる事により、写真における焦点を多数化、非中心化していく試みを加えている。それ通じて対象を視ることの豊かさがより一層に拡がることが期待されている。


大島成己 (2013年, 京都)