Shadow Dance

金村 仁
Hitoshi Kanamura

2016.3.19(sat) - 2016.4.16(sat)
13:00 - 19:00 日曜・祝日休廊
Closed on Sunday and National Holiday





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○ コラボレーション・イベント第1弾: 2016.3.19 sat 18:00 -
  Live: “Shadow Dance 1” ー ART×SOUND×DANCE
  出演:山路敦司 (作曲, laptop) + 川瀬亜衣 (dance) + .es [ドットエス: 橋本孝之 (sax) & sara (piano)]

○ コラボレーション・イベント第2弾: 2016.3.26 sat 19:00 -
  Live: “Shadow Dance 2” ー ART×SOUND×MOVIE 料金 ¥2,000.-
  演奏:Parallel Asteroid パラレル・アステロイド[Gregor Siedl (sax) + Lan Cao (piano)]- from Singapore
     磯端伸一 (guitar) + 薬子尚代 (piano)
     .es [ドットエス: 橋本孝之 (sax) & sara (piano)]
     映像:ナガタ タケシ(トーチカ)

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実像から解放されたイメージの変容 −
金村仁、ニューヨーク帰国後の初個展

ある操作を加えることによって生みだされるイメージの変容に興味を抱き、作品制作・発表を続ける現代美術作家 金村仁。
近年では身体をモチーフに、回転や反射といったごく単純な働きかけを行うことで実像と虚像の境を曖昧にし、空間に「新たな存在」を出現させる作品を展開しています。
今展では、金村が2015年のニューヨークでの海外研修時に発表したプロジェクトをさらに発展させる形で新作を発表。3Dプリントを含む立体作品や、タブロー、ドローイングといった平面作品など、多様な表現をもって物体/空間の非日常化を試みます。

イベントも巻き込み展開! 金村仁、ギャラリーノマルでのデビュー展 ー
会期中は、現代音楽家の山路敦司氏やダンサーの川瀬亜衣氏ほか、異ジャンルで活躍するゲストを招いてのコラボレーション・イベントを開催。
展覧会タイトルを冠した各イベントでは、音響と空間を効果的に使用しながら作品世界にリンクした演出を企画。この場でしか体感することの出来ない実験的なパフォーマンスを展開いたします。

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作家コメント

固定化した、自己(制作者/鑑賞者)、物(作品)、空間の関係を、単純な公式のようなものをある素材に当てはめることで、変形させ脱することを目指しています。

その公式は出来るだけシンプルで当たり前であることが重要です。
回転させる、反射させる等のような簡潔さが私たちの感覚を超えた何かを作り出すことではないかと考えています。

今回のプロジェクトでは「回転」と「反射」を作品を立ち上げる為の公式としています。

「回転」では身体の形を回転させることでできた3DCGのデータを3Dプリンタで出力しています。
回転することは「過去にいた自分」の虚像を延々と追い続ける行為です。
それは虚像と一体化する行為で自己を消滅させることのように私には感じられます。

「反射」することも回転と同じく、映った自身の虚像、映し出す媒体、そしてその媒体がある空間の中で、自分の虚像を追い続ける行為です。

反射を使ったプロジェクトでは現実と虚像の境を曖昧にするためにその媒体を用いてきました。
写真を素材に現実の建材であるタイルと類似した表面を作り「そこに映り込む鑑賞者の虚像」と今までにその空間に存在したであろうと思われる人物の「虚像」が等価値に映るインスタレーションによりそれは作品化されてきました。
それもまた回転と同じように虚像と一体化し自己を消滅させることであると感じています。

それらは単純ですが、人間にとってもっとも日常的である身体を、非日常へと解放する手段なのではないかと考えます。
身体を『人間像/もの』であることから解放するために、新たな物体へと変質させる抽象化システムを作る。そのシステムにより自動的に立ち現れたそのような物体を量産し、そしてあらゆる質を許容すること。

そこに空間と我々の関係を問い直す何かがあるかもしれません。

金村仁 Hitoshi Kanamura