30th - Miracle vol.3 植松奎二:未来を振りかえるー仮説
30th - Miracle vol.3 Keiji Uematsu: Look back on the future - Hypothesis

植松 奎二
Keiji Uematsu

2019.9.21(sat) - 2019.10.19(sat)
13:00 - 19:00 日曜・祝日休廊
Closed on Sunday and National Holiday


photo: 高嶋清俊



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○ オープニング・パーティー : 2019.9.21 sat 18:00 - 無料

○ .es (ドットエス) 結成10周年LIVE “Miracle”
2019.10.13 sun, open 19:00 / start 19:30 -, 料金 : ¥1,500.-
出演 : .es (ドットエス:橋本孝之 Takayuki Hashimoto & sara)

>> 30th-Miracle 特設サイト

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国内外での評価が目覚ましい植松奎二、
かつてない、新たな表現で挑む新作展

今展では水を象徴的に扱うラージスケールの彫刻作品としては初の試みとなるギャラリー空間全体を使った緊張感あるインスタレーションを中心に、植松が長年追求している「重力」を視覚化した彫刻・映像・ドローイング作品、また新たな要素として実験的に取り入れる「音」を通して、“驚きと発見の場”をご覧いただきます。

植松奎二は70年代より現在までドイツと日本を拠点に国内外で精力的に活動。1988年の第43回ヴェネチア・ビエンナーレへの参加をはじめ、近年では2013年の中原悌二郎賞受賞、2014年ニューヨーク近代美術館への作品収蔵、2016年テートモダンでのグループ展参加や、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ニューヨークでの個展などを通して国際的な評価がさらに高まっています。

植松とノマルとは創立以来30年に渡る共働関係を続けてきました。1999年のギャラリーオープンの展覧会は植松奎二展からスタート。『僕の新しい仕事の実験的な表現はほとんどノマルとの関係で生み出されました』(「アートの奇跡」 発行:ノマルエディション, 2019より抜粋)と本人が語るように、ノマルでの個展では常に高い意識と情熱をもって新たな表現に挑戦してきました。ノマル30周年記念企画として開催する今回の植松奎二新作展は、ノマルにとっても初心を忘れずに未来を志向する上で重要な展覧会の一つとなります。



作家コメント(植松奎二 Keiji Uematsu)

世界の構造、存在、関係をよりあらわに見えるようにして何かを発見したい。見えないものを見えるようにしたいと思いながら制作してきた。それは、ときには物と物との間にある重力、引力といった目に見えない普遍的な力への関心であったり、根源的な物と宇宙的な力への素朴な関心である。
そして自然や地球、宇宙といったものに囲まれている、人間の存在に対する問いかけである。

今回の個展のタイトルは「未来を振りかえるー仮説」である。
今、気になっている言葉は全ては仮説ではじまったと云う言葉です。
ドレスデン国立美術館でみた科学と美術との驚異の部屋、ヴンダーカンマーがいつも気になっています。
世界を知るために、世界を認識するために、宇宙を知るために集められた美術の部屋、数学の部屋、天文学、図学、道具、幾何学、科学の部屋です。
僕は美術を通じて、世界を知り、世界を表現しています。それは、人間と美術と科学との対話に通じるものです。そして、科学は仮説ではじまったと思うのです。

以前「過去をみつめ未来をみる」と云いましたが、今回は「未来を振りかえる」と云う言葉をつかいました。未来の未来から、現在、未来を含めてものを振りかえると云う姿勢で作品をつくっていこうと思ったのが今回の個展です。未来への思いが深く濃密なほど現代の表現が強いものになる。過去から未来への姿勢を超えたものが現代をかたちづくる。

新鮮な驚きと発見のある、驚異の部屋ー重力の場ーをつくってみたい。