Skywalker, Toward Morning Glory
古巻 和芳
Kazufusa Komaki
2024.8.3(sat) - 2024.9.7(sat)
13:00 - 19:00 日曜・祝日休廊
Closed on Sunday and National Holiday
VIDEO
夏期休廊:8月11日(日) - 15日(木)
Summer Holidays:2023.8.11 sun - 15 thu
[Attention]
8月24日(土)のみ閉廊時間が18:30となります。
We will close at 18:30 on 8.24 sat.
[展覧会関連イベント]
■ Opening Party : 2024.8.3 sat, 18:00 - *予約・料金とも不要
■ 会期中Live:Skywalker
2024.8.24 sat, open 19:00 / start 19:30
charge: adv. ¥2,500 / door. ¥3,000 *予約制 / 定員35名
act: sara (.es), piano, perc. / 沼尾翔子 Shoko Numao, vocal, guitar
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Live詳細・ご予約
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古巻和芳、ギャラリーノマルでの初個展
木像とペインティングが呼応し、唯一無二の時を生み出すインスタレーション
この度ノマルでは、古巻和芳の個展を初開催いたします。
兵庫県出身の古巻は、関西を拠点に1990年代から花をモチーフとしたペインティング作品を発表。2006年から「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で養蚕をテーマに継続的に集落と関わったことから、その場所の記憶に向き合ったサイトスペシフィック作品を発表するようになりました。近年は、養蚕に縁が深い桑の木を素材に人物像を彫ったことがきっかけとなり、木像彫刻を手掛けているほか、詩をモチーフにした言葉の作品も制作しています。
今展は、古巻が近年取り組んでいる木像作品と、2000年代初頭に描いていたペインティングのシリーズを、初めて組み合わせて展示するインスタレーションとなります。
張られた糸の上をやじろべえのようにバランスを取って歩く人物の木彫「skywalker」、そしてクローズアップのアサガオの花が光を放つように、また向こうの世界に吸い込まれるかのように描かれる「The Glory」は、一見全くコンセプトの異なる作品のようでありながら、古巻の生への真摯な眼差しが色濃く反映されたシリーズです。これまで別の機会に発表されてきた両シリーズの初共演は、観る者に新たなイマジネーションを想起させ、特別な時間が流れる空間を生み出すことでしょう。
古巻の作家性を鮮烈に印象付ける、ギャラリーの広さと高さを存分に活かしたノマルデビュー展は必見です。どうぞご注目ください。
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作家コメント
糸の上でバランスを保って佇立する小彫刻シリーズの制作を始めてから3年となるが、昨年、ノマルの林ディレクターから「skywalker」という名称で個展をしないかと誘いがあった。このシリーズは、木像が手にする棒の両端にオモリがあり、糸の上でも綱渡りのように立つ仕掛けで、言わばやじろべえの一種である。左右に多少傾けても、振り子のようにゆらゆら揺れて元に戻る。危ういバランスを保ちながらも、ピンと張った糸の上で重力から解放されたかのように中空を歩む姿。そこから様々なイメージが羽ばたいていけばと良いと考えている。
今回は、私が2000年代に描いていたアサガオのタブローもあわせて展示することとなった。アサガオは英語でmorning gloryという。gloryという単語には神の栄光という意味のほか、 go to glory(=天に召される)のように昇天、すなわち死のニュアンスもある。光の向こう側へと吸い込まれるような漏斗状の構造を持ったアサガオのイメージは、skywalkerがその往き先に見上げる表象として、ちょうど良いと思った。
前々から、糸の上に立つ彫刻シリーズについては、「時間」の概念がそこに含まれていると感じていた。これまで歩んだ軌跡と、これから往くであろう道。現在が、過去の時、未来の時と一本でつながっているという感覚。skywalkerは空を往くのと同時に、時を往く存在。そんな気がしている。巨大なアサガオに対置させることで、時間の中の存在であるskywalkerが、向こう側、すなわち非時間の存在に触れようとしているのが見えてくる。そのような交点が我々の人生の時間の中にもある。そういったことを本展では彫刻と絵画によるインスタレーションで示したいと思っている。
2024年6月 古巻和芳 Kazufusa Komaki