リズムとか周期というものは面白い。
ノマルは1989年、僕が25歳のとき誕生しました。
ノマルの語源は、遊牧民-NomadeとArtを引っ付けたもので、それをフランス読みしてノマル。
決まった形をとらずに、根っこは張り巡らしても、定住せずにあらゆることにチャレンジしていく、という姿勢を表したものです。

そのノマルが、今年25周年を迎えました。版画工房としてスタートし、デザインセクションの開設、ギャラリーのオープン、音楽活動の開始、そして今年、FACTORY HOUSEという表現全ての活動をつなぐ、コアとしてのプラットフォームを設立ー面白いことにいろいろなことが5年ごとに行われてきました。

25年間ずっとおつきあいいただいている作家もいます。若い作家で、今では世界中を飛び回って活躍している作家もいます。これからどんどん活躍していく作家もいます。そして有望な音楽ユニットもいます。ノマルが生み出すものを、ご理解して販売を担っていただいたディストリビューターの方々、支え続けていただいたコレクターの方々、それ以外にも多くの方々の力で今のノマルがあります。創る力はエンドレスでも、続ける力はとてもエネルギーと工夫と、そして多くの人たちの力が必要です。

25年を振り返ります。数々の失敗や、無理もありました。多くの反省とともに思うことは、それでも、どんなことでも実現するのだという信念です。
僕は、美術を愛します。そして音楽を、文学を、そして全ての創造を。その思いから25周年を記念する企画の最初にFavoriteを置きました。これからも愛し続けるであろう僕の人生の全て。今夏で50歳です、大きなうねりが一区切りをつけます。次の周期もかわらず進んでいくことと思います。どうぞ、かわらずお願いいたします。楽しんでいきましょう。

ディレクター 林 聡