2024年8月3日(土) - 9月7日(土)の日程でノマルで開催中の古巻 和芳「Skywalker, Toward Morning Glory」。
その作品群の中から、小さめの作品をセレクトしました。
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古巻 和芳 Kazufusa Komaki
Skywalker, Toward Morning Glory
2024.8.3 sat. - 9.7 sat.
>> 展覧会詳細
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作家コメント
糸の上でバランスを保って佇立する小彫刻シリーズの制作を始めてから3年となるが、昨年、ノマルの林ディレクターから「skywalker」という名称で個展をしないかと誘いがあった。このシリーズは、木像が手にする棒の両端にオモリがあり、糸の上でも綱渡りのように立つ仕掛けで、言わばやじろべえの一種である。左右に多少傾けても、振り子のようにゆらゆら揺れて元に戻る。危ういバランスを保ちながらも、ピンと張った糸の上で重力から解放されたかのように中空を歩む姿。そこから様々なイメージが羽ばたいていけばと良いと考えている。
今回は、私が2000年代に描いていたアサガオのタブローもあわせて展示することとなった。アサガオは英語でmorning gloryという。gloryという単語には神の栄光という意味のほか、 go to glory(=天に召される)のように昇天、すなわち死のニュアンスもある。光の向こう側へと吸い込まれるような漏斗状の構造を持ったアサガオのイメージは、skywalkerがその往き先に見上げる表象として、ちょうど良いと思った。
前々から、糸の上に立つ彫刻シリーズについては、「時間」の概念がそこに含まれていると感じていた。これまで歩んだ軌跡と、これから往くであろう道。現在が、過去の時、未来の時と一本でつながっているという感覚。skywalkerは空を往くのと同時に、時を往く存在。そんな気がしている。巨大なアサガオに対置させることで、時間の中の存在であるskywalkerが、向こう側、すなわち非時間の存在に触れようとしているのが見えてくる。そのような交点が我々の人生の時間の中にもある。そういったことを本展では彫刻と絵画によるインスタレーションで示したいと思っている。
2024年6月 古巻和芳 Kazufusa Komaki
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skywalkerシリーズMovie
