2016.11.1 tue
前回の展覧会からはや2ヶ月経過。
また新しいチャレンジにとりかかる。

chestnutのポジだし完了。
今回のプランは、2種類のポジを方眼のグリッドに沿ってリピートしてオールオーバーな画面にする。
やり方を考えたあげく、繰り返しピッチのひとつ分空けた形でレイアウトした状態の刷版を用意して、紙の方を動かして刷ることに。
問題は紙をずらしていくと、刷り台から紙が出てしまうので、テーブルを延長する治具を制作して見当位置がとれるように工夫した。

色味はざくっとグリーンで重なると黒く強くなるように、とのこと。
前のアイリスで使っていたインクデータから調整してグリーン+墨にしてみる。


心配していた、方眼とchestnutの位置関係のブレはさほど無い様子。
しかし、刷るにつれて基準があいまいになってどこを見たらいいか分からなくなっていく。
判断の方法を検討する必要あり。






2016.11.4 fri
今回のもう1点clouds。
これもなかなかのもの。
雲、と呼んでいるぼけた面のポジの構成で画面をつくる。
11ブロックあり、それぞれ2枚のポジが割り当ててある。合計22枚。。
モアレを回避しながら製版すれば刷版は話早いが、刷っていくのに難儀する。
幸いなことに刷色は墨のみで同色でいけるので、どのポジどうしが同じ版でとれて、どの角度のメッシュでとれるかを一枚ずつ精査する。
どうがんばっても8枚の版が必要と出た。。。
2016.11.5 sat
木村さん打ち合わせ。
ディレクターと一緒に見る。
すこし思っていたのと違う部分もあったようだが、概ね方向はいいようだ。
単一のイメージを繰り返していってできる全体の様子は、デジタル上でシミュレートできるが、本当のところは実物になってみないと分からない。
紙の端まで刷りきりになる部分があるので、仕上げ位置で切って見てもらった。

全体の刷り位置が気になる様子。すこし調整してみることに。
もうひとつ気にしていたのは色の強さ。しかし画面を規定する方眼のイメージももうすこし出て来てほしいと。
印刷結果からみるとちょっと矛盾する。一番下に刷ったものを強いインクの前に出すのはどんなバランスなのか。
逆に方眼を最後に刷ってみるのはどうかと提案。
これまでの考え方では無かった点だが一度やって判断しようとなり、その場で残っている校正刷りの上から刷ってみる。
見せると、意外といいかも、とこの方向で次やってみることになった。
2016.11.9 wed
週の初めからchestnutの位置変えとcloudsの製版の準備をすすめる。
方眼は最後に刷ることになったが、重ねたchestnutが方眼と合っているか確かめるため、はっきりとわかる濃い色で方眼を刷って、それを基準にしていく。
それと方眼のイメージがもっと出たら、という意見もあったのでその雰囲気も出せるようにという隠れた意図もあり。
最後の方眼の濃度がどの程度出るようにするか、なかなか難しい。
何回か刷っては薄め、とすこしずつ探る。

cloudsは丸2日かけて製版し終わって、ようやく校正刷りに入ったが、えらくトラブる。。。
cloudsのアミの面におおきな水玉模様のような濃度むらが突如出た。
どうも刷り台にある空気を吸い込む穴の場所に出ている。透明色を薄い紙に刷ったときに影響が出ることがあるが、
いま使っている紙でなぜ出るのか。。。?
あと、製版のコンディションも悪い。急いでやって大失敗かも。
大やり直しに大検証をしなくてはならない。
2016.11.11 fri
木村さんチェック。
見せたchestnutは2種。最後に濃度を下げて方眼を刷ったものとモノは試しでエンジ色の方眼を位置の確認のために刷ったもの。
これは話になかったものですが、となにげに見せたが、こっちが捨てがたい、とエンジを示した。
たまたま出来たものなんですケド、、とか言いながらじっくり両方を見比べて検討する。
結局エンジの方は、いい部分もあるが思っているのと違う部分もあり、今回は見送り。
今回の校正刷りでほぼ校了。
問題のcloudsの方は、コンディションの問題は横に置いて全体がわかるように一巡刷って見せる。
イメージの配置関係にすこしちぐはぐな部分が見えてきた。
これを右に5mm、これはここと揃える、など整理する。
となると、刷版からやりなおし、、、どうせ焼き直すんで。
一週間はかかる。。。。
2016.11.21 mon
一週間かかってcloudsの製版やり直し&刷り直しをする。
製版をやり直すために、すべてのポジのスナップをつかってデータ上で
位置のシミュレートをしながら、おかしなところ無いか確認する。
よさそうに思えたのですべて製版したが、
刷ってみるとアミが重なる部分が出てきた。。
急遽刷る場所をすこしずらして対応。
コンディションを維持するのがとても難しい。。

木村さんチェックのため来社。
木村さんは2種の色を近づける方がいいとの意見。
すこし先が見えて来たようだ。
色チップで仕上がり予想の明度を確認する。
2つの版が重なって、この明度になるように、という難しい注文。。
あと、全体に重ねるような追加の版を用意することになった。
これは新たにポジを描き起こしてらう。
次で決めたいな、と。
2016.11.23 wed
色出しに苦戦。、、とそうか、ポジによって濃度が微妙に違うからそりゃ同じ色で刷っても感じる濃さ違うよな、、、
なんせ決めて色を変えながら22版を刷る。。。
ここまでくるともう育てる、感じがする。
2016.11.28 mon
木村さんから届いた追加のポジをテスト。
手描きの筆致を最後に刷り重ねるプラン。どの程度の濃さで出すかのさじ加減が難しい。
木村さんチェック。
ほとんどGOなんやけど、、、
といいつつ、やはりアミの濃度にこだわり調整を希望される。
実際に色出しして確認する。
もうひとつどうしても気になるポジの形があり、これを微調整する。
目止め用のヒラーを吹き付けてインクの出る形を変える。
なかなかの出来。
2016.12.01 thu
展覧会前に最終チェック。
これでokとすべて校了確認できた。
今回の2点はそろって刷り重ねに重ねる作品になった。
ある種必然的にこうなったところもあるが、
ポートフォリオ全体の中ではすこし趣きの違うものになるのかなと思う。