今年も静かに進行中。
また新しいチャレンジにとりかかる。

2017.5.11 thu
早速新作のMistyの打ち合わせ。
ノマルでスタートした1996年のno1から始まり、この2017年でno71になる。
今回のモンドリアンのイメージは画像編集アプリケーションで加工されていて、2D上で色面が奥に行ったり、起き上がったようになっている。
まずこのデータをプロセス4色で印刷して、何をどこに加筆するか様子を見る。
いつもの進め方。
2017.6.15 thu
プロセス4色の状態を見てもらう。
さあ、ここからどうするか。
ベースになる筆致や色面の上からのせる版はいるかな、、ということで追加のポジを描いてもらう間、少し待ち。
2017.6.23 fri
フィルムに直接描いたポジの到着。
なかなかに難しそうなポジ。どれくらい表現できるか。
刷り色も同時に決めたが、濃度などは何も無しで決めることができないので、こちらで想定して決めることにする。

製版が完了するのに1週間くらいかかった。。
1版で調子を表現するものと、露光時間を変えて2版にセパレートするものを用意した。
これから色出しして校正刷りに取り掛かる。
2017.7.14 fri
校正刷りのチェック。
プロセスカラーの部分を上から隠すように入ってくるストローク版の濃度が難しかった。
シャドーは見えつつ、白く筆致が見えるように、という矛盾するオーダーだったが、やってみるとやはりそうはならない。
なんとなくという中途半端なデータは取ったが、これではアカンかと思い、指示とは逆に思い切って白の濃度を上げたものと、白ではなく黒の透明色でやってみたものを見せる。
やってみないとわからないもので、これは無いかなと思っていた白の強いものがフィットしたよう。

このMisty Dutchシリーズは、モンドリアンの作品画像以外に写真イメージは使わないルールになっている。
ただ作品画像を印刷しただけでは成り立たないし、アプリケーションで加工したものだけでも成り立たない。
それだけに何を加えるか、を考えるわけだが、これまでのシリーズを見ると大部分は色面かストロークの版を加えている。
この付け加えていく部分は最初から決まっていないように見える。
ベースになる作品画像が印刷された状態、データから現物になったものを見て反応している。
しかも加えるものも、刷ってみないとわからないわけで、計画とその結果に(ある意味)ギャップのある版画の工程ならではだと思うが、反応したり委ねたりしているのかなと感じることが多い。

だいぶ思っている雰囲気に近づいたようで、細かい版の修正をして最終版の校正刷りに取り掛かってみることに。
作業中の工房。
2017.7.18 tue
校正刷りを繰り返していてふと思ったが、
そういえばモンドリアンのこのタイプの作品はほとんど赤、青、黄、黒、白でできているような。。
であればプロセスカラーで印刷する、という工程が、写真イメージを再現する方法というだけではなく、それらの色だけで成り立っているという原理も必須なのかな、と思ったり。