引き続き今年2本目に取り掛かる。

今回はスキージング(squeegeeing)の仕事になる。
このシリーズはもともとタブローの仕事で、筆致のイメージとスキージで描かれた絵の具層で構成されている。
そのスキージで描かれた絵の具の層は、厚みの差で色の濃さが決まるので、それをシルクで表現するにはどうしたものか、原稿はどう作るのかとやってみないとわからないことが多い。

2017.10.02 mon
初打ち合わせ。
原稿を見てびっくり。シルクの原稿作成用の絵の具を使ってタブローに用いる方法で同じように描かれたポジができている。
絵の具がモリモリに盛り上がっていて、これをステップトーンで表現しようというアイデア。
もう一つのポジはいつものストロークだが、これをグラデーションで2版にセパレートする。
タブローもグラデーションの下地の上に半透明のメディウムでスキージングしているそう。
タブローと同じプロセスでシルクで表現する、のが今回のチャレンジになる。
2017.10.24 thu
校正刷りのチェック。
仕上がりのターゲットとしてタブローと見比べる。
グラデーションの色味と色の変わる位置がしっくりこない。
また、もっとインクが出るようにする必要もありそうで、製版の具合も調整することに。
こちらも刷ってみないとわからないが、いつものようにその結果をお互いに検討しながら到達点をすり合わせていく。
2017.11.02 thu
合間を縫いながら製版のやり直し、色出しなど進める。
あとひと月。。。。
背景のブルーの変更、グラデーション位置の変更、スキージング版の変更、色出し、などなど。
2017.11.10 fri
校正刷りのチェック、再び。
背景になるベースの色味がイマイチなので、木村さんが調色。
あまり色んな色混ぜると、あとで再現するのが難しくなる、、
また、スキージングの色が難しい。
今回は一枚の原稿から露光時間を変えて3版を取っている。
半透明の白の階調を表現するためだが、この狭いレンジの中で重なりながら思っている半透明感を出すインクを見つけるのが難しい。
調整で行けるのか、別なアイデアがいるのか、見極めが必要かもしれない。
2017.11.16 thu
木村さんのアイデアで最後に手書きのグリッドを刷る。
もともとスキージングの版の中に罫書いてあったが、結局同じ版の中にあるので使うインクの色になってしまい、あまり見えてきていなかった。それを最後に際立たせることでスキージングの一つ一つのブロックを分けようと。
なるほど、最後のもう一歩の何かが足りないように思っていたが、そうきたかという感じ。
2017.11.22 wed
ギリギリ最後の調整。
グラデーションの赤味の調整。グリッド版の濃度調整。
もう少し、か?
2017.11.28 tue
なんとか校了。間に合った。。。